分かりやすい身近な法律の話

楽しく分かりやすく身近な法律を中心に説明します。

水路の交通を妨げるような行為をしてはいけない (軽犯罪法第1項第7号)

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【してはいけない例】

水路の交通を妨げるような行為とは、川や運河などの水の流れを邪魔したり、船の航行を妨害したりする行為です。

具体的な例としては、以下のようなものがあります。

・船やいかだを水路に放置して、他の船の通行を邪魔すること。

・水路にゴミや廃棄物を捨てて、水の流れを阻害したり、船のスクリューに絡ませたりすること。

・水路に橋や堰(せき)などの構造物を勝手に作って、水の流れを変えたり、船の高さを制限したりすること。

・水路に釣り糸や網などを張って、船の進路を妨げたり、船体に引っかけたりすること

軽犯罪法第1条第1項第7号
みだりに船又はいかだを水路に放置し、その他水路の交通を妨げるような行為をした者

【なぜいけないのか】

・水路は公共の利益に関わるものであり、私的に利用したり、占有したりすることは法律で禁止されているからです。

・水路の交通を妨げることは、水運業や漁業などの経済活動に悪影響を及ぼしたり、水害や水質汚染などの環境問題を引き起こしたりする可能性があるからです。

・水路の交通を妨げることは、船の衝突や座礁などの事故を引き起こし、人命や財産に危険を及ぼす恐れがあるからです。

【補足】

この罪の刑罰は、拘留又は科料です。

ただし、この罪は未遂を処罰する規定がありませんので、水路の交通を妨げることに成功しなければ成立しません。

また、水路の交通を妨げるような行為が、刑法の往来妨害罪や往来危険罪などの他の罪にも該当する場合は、より重い刑罰が科されることがあります 。

刑法第124条(往来妨害)
陸路、水路又は橋を損壊し、又は閉塞して往来の妨害を生じさせた者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

刑法第125条(往来危険)
鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者は、2年以上の有期懲役に処する。

例えば、水路に爆発物や有毒物を投げ込んで船の往来の危険を生じさせた場合は、往来危険罪の罪に問われ、2年以上10年以下の懲役に処せられる可能性があります。

水路の交通を妨げるような行為は、社会の秩序や安全に重大な影響を与えることがありますので、絶対にしないでください。

もし、水路の交通を妨げるような行為をしたことで逮捕されたり、被害を受けたりした場合は、すぐに弁護士に相談してください。