【前編】の内容はいかがだったでしょうか?
タバコの販売では、20歳未満への販売を防ぐために厳格な年齢確認が法律で義務付けられています。
年齢確認を怠ると、営業取消しや罰金などの処分が科されます。
たとえ20歳以上だと思っても、確認を怠れば法律違反となり、同様の罰則が適用されます。
タバコの販売には社会的な責任が伴い、確実な年齢確認が求められるからです。
【後編】では20歳未満の者がタバコを吸ったときの責任と、20歳未満の者にタバコをすすめた者の責任について説明していきます。
どうか続けてお読み下さい。
【もくじ】
1)20歳未満の者に年齢確認しないでタバコを販売した場合の責任
2)20歳未満の者を20歳以上だと思って年齢確認しないでタバコを売った場合の責任
3)20歳未満の者がタバコを吸った場合の責任
4)20歳未満の者にタバコをすすめた場合の責任
3)20歳未満の者がタバコを吸った場合の責任
タバコは、20歳以上の成人でなければ購入や喫煙ができませんよね。
これは、タバコの健康被害や未成年者の健全な育成を防ぐためです。
このこともまた、 「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」で定められています。
同法第一条 二十歳未満ノ者ハ煙草ヲ喫スルコトヲ得ス
「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」では、未成年者の喫煙行為自体は罰則が設けられていません。
しかし、未成年者が喫煙のために所持するタバコや器具は、行政処分をもって没収される可能性があります。
同法第二条 前条ニ違反シタル者アルトキハ行政ノ処分ヲ以テ喫煙ノ為ニ所持スル煙草及器具ヲ没収ス
また、未成年者がタバコを吸うことは、健康や学業に悪影響を及ぼすだけでなく、社会的な信用や評判にも傷をつけることになります。
これは、タバコの喫煙には個人的な責任が伴うということを示しています。
未成年者は、タバコを吸うことの危険性や不利益を理解し、自分の将来のためにも、タバコを吸わないことが大切ですね。
【具体例】
例えば、友達の家でタバコを吸おうとする中学生がいたとします。
その中学生は、タバコを吸うことで大人っぽく見えると思っていました。
しかし、その中学生の親は、タバコの匂いを嗅いで、タバコを吸っていることに気づきました。
親は、中学生に厳しく叱りました。
また、中学生の持っていたタバコやライターは、親に取り上げられました。
この場合、中学生は、法律に違反してタバコを所持していたことになります。
その結果、中学生のタバコや器具は、没収される可能性があります。
同法第三条 未成年者ニ対シテ親権ヲ行フ者情ヲ知リテ其ノ喫煙ヲ制止セサルトキハ科料ニ処ス
また、中学生は、親や学校に信用を失い、友達との関係にも影響が出る可能性がないわけではありません。
このように、タバコを吸うことは、自分の人生に悪い影響を及ぼすことになります。
4)20歳未満の者にタバコをすすめた場合の責任
この場合にも、未成年者喫煙禁止法により、20歳未満の者にタバコや器具を譲渡した者や、タバコを吸うことをすすめた者も、50万円以下の罰金に処せられます。
同法第五条 二十歳未満ノ者ニ其ノ自用ニ供スルモノナルコトヲ知リテ煙草又ハ器具ヲ販売シタル者ハ五十万円以下ノ罰金ニ処ス
これは、タバコの喫煙には社会的な責任が伴うということを示しています。
タバコを吸う者は、未成年者にタバコを渡したり、吸うことを勧めたりしないことが大切です。
【具体例】
例えば、タバコを吸っている社会人がいたとします。
その社会人は、近所の中学生にタバコをすすめました。
中学生は、タバコを吸うことに興味がありましたが、怖くて断りました。
しかし、社会人は、タバコを吸うことの楽しさやかっこよさを説明しました。
そして、タバコとライターを中学生に渡しました。
この場合、社会人は、年齢確認をせずに20歳未満の者にタバコを譲渡したことになります。
その結果、社会人は、50万円以下の罰金を払わなければなりません。
また、社会人は、未成年者にタバコをすすめたことで、その健康や人格に悪影響を及ぼす可能性がありますよね。
このように、タバコをすすめることは、自分だけでなく、相手にも迷惑をかけることになります。
まとめ
この記事では、タバコに関する法律の中でも、特に重要なケース4つをご紹介しました。
それは、以下のようなものでした。
1,20歳未満の者に年齢確認しないでタバコを販売した場合の責任
2,20歳未満の者を20歳以上だと思って年齢確認しないでタバコを売った場合の責任
3,20歳未満の者がタバコを吸った場合の責任
4,20歳未満の者にタバコをすすめた場合の責任
これらの法律に違反した場合、罰金や行政処分などの重い責任が発生します。
また、タバコの喫煙は、健康や社会に悪影響を及ぼす可能性があります。
タバコに関する法律は、タバコの危険性や責任を認識させるためのものです。
タバコを吸う人も、吸わない人も、タバコに関する法律を知って、適切に対応することが大切だと思います。