科すべき刑は死刑以外にありえない。
白昼、大阪教育大学附属・池田小学校に侵入し、刃物で8人の児童を殺害、教諭2人を含む15人を負傷させた被告人・宅間守に対する判決公判で。
大阪地裁裁判長 川合昌幸裁判長
当時50歳 2003.8.28[理由]
長嶺輝輝、「裁判官の爆笑お言葉集」、幻冬舎新書、2007年、10刷、P26
❶この発言に対してどう判断するか
川合裁判長の発言は、宅間被告人の犯行が非常に残虐で悪質であること、被害者や遺族の苦しみや憤りを考慮したものであると思います。
しかし、死刑判決を下す際には、被告人の人権や尊厳を尊重することも必要であるという考え方もあります。
そのため、この発言は、死刑制度や刑事司法に対する議論を活発化させるものになったのではないでしょうか。
❷発言の意図
川合裁判長の発言の意図は、宅間被告人に対する厳罰を示すとともに、社会に対する警鐘を鳴らすことだったのではないでしょうか。
宅間被告人は、自分の人生に絶望し、社会に対する復讐心を抱いて犯行に及んだとされています。
川合裁判長は、このような人間が生まれる背景や原因について、社会全体が反省する必要があると訴えたかったのかもしれません。
❸裁判官に対する批判や評価
川合裁判長に対する批判や評価は、人によって異なると思います。
一方で、被害者や遺族の気持ちを代弁し、宅間被告人に対する最高の刑を科したことを評価する人もいるでしょう。
他方で、死刑判決を下すにあたって、被告人の人権や尊厳を無視したことや、死刑執行の早さに疑問を持つ人もいるかもしれません。
また、裁判官の発言が、死刑制度や刑事司法の在り方について、社会的な議論を促したという点では、一定の意義があったと言えるかもしれません。