分かりやすい身近な法律の話

楽しく分かりやすく身近な法律を中心に説明します。

無人の家や船に理由なく潜んではいけない(軽犯罪法第1条第1項1号)

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軽犯罪法とは、さまざまな軽微な秩序違反行為に対して罰則を定めています。

この法律は、「国民が日常生活で守るべき最低限度の道徳を定めた法律」と説明されることがあります。

具体的には、軽犯罪法は33の行為を罪として定めています。

例えば、人が住んでいる建物に無断で入ることや、他人の物を無断で使うことなどが禁止されています。

これらの行為をした者は、1日以上30日未満の期間、刑事施設に拘留されるか、1,000円以上1万円未満の範囲で金銭を徴収されます。(科料

このように、軽犯罪法は、社会の秩序を守り、人々が安心して生活できるようにするための法律です。

これから、軽犯罪法の33の条文について具体例を出して、なぜこのような条文ができたかを説明していきます。

【してはいけない例】

・空き家や空きビルに侵入して泥棒や放火をしようとする行為

・廃船や廃工場に忍び込んで遊んだり、麻薬を使用したりする行為

・他人の別荘や倉庫に勝手に住み着いたり、物を盗んだりしたりする行為

・逃亡中の犯罪者や追われている者が隠れるために他人の物件に潜伏したりする行為

第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

一 人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者

【なぜいけないのか】

この行為は、他人の所有権や占有権を侵害し、社会秩序を乱すものと考えられるからです。

例えば、空き家や廃工場に侵入して泥棒や放火をする場合、刑法の住居侵入罪や窃盗罪、放火罪などにも該当する可能性があります。

また、逃亡中の犯罪者や追われている者が隠れるために他人の物件に潜伏する場合、公安上の問題にもなります。

したがって、このような行為は、正当な理由がない限り、法律で禁止されているのです。

【補足】

・正当な理由がある場合は違法性がないとされます。
例えば、暴漢に追われて身を隠すケースなど、緊急避難が成立する場合が考えられます。