分かりやすい身近な法律の話

楽しく分かりやすく身近な法律を中心に説明します。

梅酒にまつわるおもしろい話:頼まれて自家製梅酒を譲渡するのは違法?合法?

f:id:gsweets:20240118145716j:image

突然ですが、あなたは梅酒が好きですか?

私は大好きで、妻に作ってもらったりしています。

でも、梅酒を作るときには、法律に気をつけないといけないと聞きました。

それは、梅酒も酒税法の対象になるからです。

自家製の梅酒を作ることは違法ではないと思っていました。

実際、自家用の梅酒を作ることは問題ありません。

では、友達や近所の人に梅酒をあげるのは大丈夫なのでしょうか?

私たちの家でも、友達に梅酒をあげています。

この記事では、梅酒に関する「はてな」について分かりやすく説明します。

【もくじ】
1)梅酒を作るときに知っておきたい法律
2)梅酒を作ってもいい場合とダメな場合
3)梅酒は友人・近所にホントに差し上げられないのか?

1)梅酒を作るときに知っておきたい法律

f:id:gsweets:20240118145732j:image

梅酒を作るときには、ある法律の規制があります。

聞いたことがあると思いますがいったいなんでしょうか?

正解は・・酒税法です。

酒税法とは、酒類に税金をかけるための法律です。

酒税法では、酒類を製造するときには、国に許可をもらわないといけません。

許可をもらわないで酒類を製造すると、罰金のみならず、懲役になることもあります。

では、梅酒は酒類になるのでしょうか?

正解は、なります。

ただし、梅酒を自宅で作る場合、特例として認められているんですね。

消費者が自分で飲むために、アルコール分20度以上のもので、かつ酒税が課税済みのものに梅や砂糖を混和する場合、新たな酒類の製造とはみなされないんです。

ただし、この梅酒を販売することは禁止されています。

したがって、自家製の梅酒を作ること自体は違法ではありません。

ただ、それを販売することは違法となります。

この点に注意が必要ですね。

下記の条文にその旨が記されています。

2)梅酒を作ってもいい場合とダメな場合

f:id:gsweets:20240118145755j:image

梅酒は酒類になるということはわかりました。

それでは、梅酒は他者にお願いして作ってはいけないのでしょうか?

正解は場合によります。

梅酒を作ってもいい場合とダメな場合があります。

梅酒を作ってもいい場合は、自分や家族が消費するために作る場合でしたね。

これは、酒税法の中にある「みなし製造」という規定によるものです。

みなし製造とは、酒類を製造するとみなされない場合のことです。

酒税法では、自分や家族が消費するために、少量の酒類を作ることは、みなし製造として認められています。

そのため、自分や家族が飲むために、梅酒を作ることは、違法ではありません。

酒税法第四十三条第一項(みなし製造)
酒類に水以外の物品(当該酒類と同一の品目の酒類を除く。)を混和した場合において、混和後のものが酒類であるときは、新たに酒類を製造したものとみなす。ただし、次に掲げる場合については、この限りでない。

では、梅酒を作ってはいけない場合は?

さきほど出てきたように売る場合です。

では、贈ったり、譲ったりする場合はどうでしょうか?

実はこの場合も原則的にダメなんです。

売るために作るのはわかるけど、現実問題として、自家製梅酒をプレゼントされた人も少なくないはずです。

この点についてはもくじの3)であらためて触れますね。

一応、NGということで話を進めていきますね。

これは、酒税法の中にある「無許可製造」という規定によるものです。

無許可製造とは、国に許可をもらわないで酒類を製造することです。

酒税法では、無許可製造は、罰則の対象になってしまいます。

そのため、梅酒を売ったり、贈ったり、譲ったりすることは、違法になります。

この点は注意が必要ですね。

酒税法第五十四条第一項(無許可製造)
第七条第一項又は第八条の規定による製造免許を受けないで、酒類酒母又はもろみを製造した者は、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

3)梅酒は友人・近所にホントに差し上げられないのか?

f:id:gsweets:20240118145825j:image

この点につき、調べれば調べるほど、諸説あり、わたしが個人的に下した結論を紹介しますね。

あくまでも、わたしの考えなので責任は一切負えませんのであしからず。

それではその内容というのは…

自家製の梅酒についての規定は、日本の酒税法に基づいていますよね。

この法律により、以下のような解釈をしました。

・自家製の梅酒は、個人やその家族が楽しむために作られるべきですよね。

・友人や知人に振る舞う(無償で提供する)ことは許可されています。

・しかし、有償は当然のこととし、無償で譲渡所有権を移転すること(差し上げること)は禁止されていると思います。

つまり、友人等に振る舞う(梅酒でもてなす)ことはOKでも差し上げる(タダで所有権を移転する)ことはNGという結果です。

現実との乖離はあると思いますが…。

もしよかったらあなたも考えてみて下さいね。

この問題は通達が出たり国家での答弁があったりとかなりグレーなんですよ。

参考は コチラ↓

友人に自家製梅酒を振る舞ったら、「密造してんの?」と言われました。梅酒を作るのは「酒税法違反」なのですか? | その他税金 | ファイナンシャルフィールド

梅酒と酒税法の微妙な関係 | 澤田税理士事務所

自家製の梅酒は違法になる?酒税法は? - NONBE~ノンべ~

【自家製梅酒】は違法なのか「知っておきたい酒税法と楽しみ方」 | BAR skyysouブログ

お酒についてのQ&A|国税庁

まとめ

梅酒は自分で作ると美味しいし、楽しいですが、法律には気をつけましょう。

梅酒は酒類になるので、酒税法の対象になります。

梅酒を作るときには、自分や家族が消費するために作ることは大丈夫ですが、売ったり、贈ったり、譲ったりすることは許されていないこと?だと思われます。

友人・近所の人にプレゼントすることについては、現実と乖離し微妙なのになっていますが、もしよかったらあなたも考えてみて下さい。