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ガリガリ君の当たりは誰が「かぶる」のか?&ガリガリ君の秘密にせまる!

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夏の暑さを吹き飛ばす、子供から大人まで大人気の「ガリガリ君」。

その魅力と秘密を一緒に探っていきましょう。

今回の記事では、ガリガリ君をとりあげますが、結構、奥が深いんですよ。

それではさっそく見ていくことにしましょう。

【もくじ】
1)ガリガリ君の当たり棒とその取り扱い
2)景品表示法と消費者保護法の視点から見たガリガリ君
3)ガリガリ君の賞味期限
4)ガリガリ君8年ぶりの値上げとその背景

1)ガリガリ君の当たり棒とその取り扱い

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ガリガリ君のアイスを食べていて、「当たり」の文字が出てきた経験はありますか?

そのとき、あなたはどうしましたか?

お店に戻って新しいアイスと交換したことでしょう。

そんな時、お店はその「当たり棒」をどう扱っているのでしょうか。

また、交換したアイスの代金は誰が負担するのでしょうか。

これらの疑問を解明するために、ガリガリ君の「当たり棒」について詳しく見ていきましょう。

一般的に、お店は当たり棒を製造元である赤城乳業に送り返します。

赤城乳業株式会社

そして、赤城乳業は新たなガリガリ君をお店に提供します。

これにより、お店は交換したアイスのコストを補うことができます。

ですから、お店がそのコストを「かぶる」ことはありませんよね。

ただし、この取り扱いはお店や製造元のポリシーによります。

例えば、一部のお店では、当たり棒を一定の数が集まるまで保管し、それから一度に製造元に送り返すこともあります。

このように、ガリガリ君の当たり棒の取り扱いは、場所やお店によって異なるのです。

それでは、次のセクションで法律の視点から見てみましょう。

2)景品表示法と消費者保護法の視点から見たガリガリ君

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ガリガリ君の当たり棒について考えるとき、法律の視点から見ることも大切ですよね。

特に、「景品表示法」と「消費者保護法」は重要な役割を果たしています。

まず、「景品表示法」は、商品の購入者に対する景品の提供が過度になることを防ぐための法律です。

この法律では、懸賞品の割合を2%までと定めています。

これは、例えば、100本のガリガリ君を買ったら、2本は当たりが出る確率があるということです。

この根拠は…

「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」(昭和52年公正取引委員会告示第3号)

に基づいています。

景品表示法」の下で作られたこの告示は、プレゼントなどの景品を提供するときのルールを決めています。

つまり、ガリガリ君のような商品で「当たり」が出る確率を公平に保つためのルールを作っていまるのです。

これは、みんなが公平にくじを楽しめるようにするための大切なルールといえます。

次に、消費者保護法(消費者契約法特定商取引法のこと)は、消費者の利益を守るための法律です。

ガリガリ君のパッケージや広告、そしてその当たり棒の出現確率などは、消費者が商品を選ぶ際の重要な情報となります。

これらの情報は、商品を作って売っている会社が、正しくて、適切な情報を提供することが必要だということを示しています。

そして、私たちはその情報をもとに、商品を選ぶことができます。

また、これらの法律を通じて、ガリガリ君の製造から販売、そして消費までの一連のプロセスが適切に行われ、消費者の利益が保護されていることも確認できます。

これは、私たち消費者が安心して商品を選び、購入し、使用(消費)することができるようにするための重要な取り組みです。

これらのことを理解することで、私たちは商品を選ぶ際の視点を広げ、より良い選択をすることができますよね。

3)ガリガリ君の賞味期限

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ガリガリ君の賞味期限について、あなたはどれくらいだと思いますか?

実は、ガリガリ君には賞味期限が設けられていません。

これは「食品衛生法」の規定によるものです。

この法律では、アイスクリーム類は通常−18℃以下で保存されるため、保存中の変化は極めてわずかであり、人の健康を損なうような危害の発生は考えにくいとされています。

「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(通称「乳等省令」)と「アイスクリーム類及び氷菓の表示に関する公正競争規約」より。

例えば、あなたが仕事から帰ってきて、冷凍庫でガリガリ君を見つけたとします。

でも、そのガリガリ君はいつ買ったのか覚えていないとしましょう。

そんな時でも、安心して食べることができます。

これが、ガリガリ君に賞味期限がない理由です。

しかし、賞味期限がないからといって、無制限に保存できるわけではありません。

長期間保存すると、風味が落ちたり、冷凍庫焼けを起こす可能性があります。

4)ガリガリ君8年ぶりの値上げとその背景

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2016年に25年ぶりの値上げで70円となったガリガリ君

それから8年間、価格を据え置いてきました。

この度、2024年3月1日(出荷分)より、10円値上げ(70円→80円・税別)になりました。

その背景には、さまざまな要因が絡んでいます。

まず、原材料費の高騰が挙げられます。

乳製品や砂糖など、アイスクリームの製造に必要な材料の価格が上昇しています。

これは、世界的な需給バランスの変動や気候変動など、さまざまな要因によるものです。

また、物流コストの増加も大きな要因です。

ガソリン価格の上昇やドライバー不足などにより、商品を店舗まで運ぶコストが増えています。

これらの要因により、ガリガリ君の製造コストが上昇し、その結果、消費者価格に反映されたのです。

しかし、赤城乳業は、価格を上げることで品質を維持し、消費者に安心してガリガリ君を楽しんでもらうことを最優先に考えているとのことです。

まとめ

今回の記事では、ガリガリ君の当たり棒から始まり、その取り扱い、法律の視点、賞味期限、そして価格変動の背景について詳しく見てきました。

ガリガリ君の当たり棒は、商店と製造元の間で適切に取り扱われ、消費者には新たなアイスが提供されます。

また、景品表示法や消費者保護法などの法律により、ガリガリ君の製造から販売、そして消費までの一連のプロセスが適切に行われています。

さらに、ガリガリ君には賞味期限が設けられていないこと、そして8年ぶりの値上げの背景には原材料費の高騰や物流コストの増加があります。

これらの情報を通じて、ガリガリ君一つを取り上げただけでも、社会のさまざまな側面を垣間見ることができますよね。

これらを知ったことで、次にガリガリ君を手に取るときは、きっと新たな視点で見ることができるでしょう!