クローン人間、なんともSFチックな響き。
白衣をまとった科学者が試験管や培養器で遺伝子情報を操作してクローン人間を育てているイメージがありませんか?
しかしこれらは全くの誤解、そんな事はありません。
そして日本にはクローン人間を作ってはいけないという法律があり、作成防止のための罰則規定も存在します。
この記事を読めばクローン人間がどのように作られるのかと、なぜクローン人間を作ってはいけないのかが理解できます、
【もくじ】
1)クローン人間を作ってはいけない
2)クローン人間はなぜ禁止
3)クローン人間についての誤解
1)クローン人間を作ってはいけない
日本には、クローン人間を作ってはいけないと言う法律があります。
その法律の名称は「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」です。
いかにもクローン人間を作っちゃいけないと言う権威が感じられませんか?
クローン人間を作るには…
①ある人間から取り出した体細胞を培養し、その核を受精卵から取り出した卵細胞に移植します。
②その核移植を終えた卵細胞(これがクローン胚となります)を人間に移植し、
③お腹の中で大きく育て
④赤ちゃんが産まれてくるというプロセスです。
それが「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」によって規制されているのです。
この法律は、特定の人と同一の遺伝子構造を有する人(人クローン個体)を作り出す可能性があるクローン技術等を規制しています。
ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律
第三条 何人も、人クローン胚、ヒト動物交雑胚、ヒト性融合胚又はヒト性集合胚を人又は動物の胎内に移植してはならない。
そして第3条に違反してクローン人間を作ったら10年以下の懲役もしくは千円以下の罰金に処されます。
ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律
第十六条 第三条の規定に違反した者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処される。
2)クローン人間はなぜ禁止
クローン人間を作ることが禁止されている理由は、倫理的、社会的な問題が大きいからです。
世界的にクローン人間の研究を進めることが禁止される流れとなったのは、「人間とは神の秘蔵物」だという考えや、科学的、倫理的な観点からもです。
人間は、神によって作られたという信念を持つ人々もいれば、進化の結果と考える人々もいることでしょう。
したがって、クローンを作ることは、「神の領域」に踏み込むということ以上に、倫理的、社会的な問題が関わってきます。
例えば、臓器を提供するためだけにクローン人間を作ることは、そのクローン人間の人権を無視することになります。
また、奴隷のためにクローン人間を作るということも、人権侵害に当たります。
さらに、クローン人間の親は誰になるのかという問題もあります。
遺伝子提供者?
腹を貸した女性?
それともクローン人間を作った研究者?
これらの問いに対する明確な答えはありません。
仮に今、クローン人間の作成を認めたら、法の整備も追いつかないでしょう。
これらの理由から、クローン人間の作成は現状では禁止されるべきと考えられます。
3)クローン人間についての誤解
SFの物語などでは、クローン人間がいきなり自分と同じ姿で現れる描写がありますが、現実ではそうではありません。
クローン人間は、生まれた時点で赤ちゃんです。
したがって、自分と同じ姿で現れることはありませんよね。
また、クローン人間の寿命については、一部の説では、クローンはその人の残りの寿命しか生きられないとされています。
具体的には、80歳までの遺伝情報を持っている人が30歳の時にクローン人間を作ったとしたら、そのクローン人間は残りの50年しか生きられないという説があります。
しかし、これはあくまで一部の説であり、現在の科学ではまだ確定的な結論は出ていません。
クローン生物の寿命については、今後の研究によりさらに明らかになるでしょう。
少し法律の話とかけ離れてしまいましたね。
まとめ
クローン人間は親と子が同じ遺伝子を持ち、一卵性の双生児に近い関係と言われています。
技術面をとったなら、現在の科学技術は、理論上、クローン人間を作ることが可能なレベルに達していると言われています。
しかし、アメリカをはじめとする多くの国では、クローン人間の研究自体が禁止されています。
また、国連でもクローン人間の研究を禁止しています。
私の思うところですが、クローン人間は、やはり「神の領域」であり、人間が足を踏み入れるべきではないと考えます。
仮にクローンができたとしても、その技術が悪用される可能性があるため、注意が必要です。
そのため、「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」が重要な役割を果たしています。
この法律は、クローン技術の悪用を防ぎ、人間の尊厳と社会秩序を保護するための砦となっているのではないでしょうか?