
スマートフォンや小型カメラの急速な普及により、私たちの生活は大きく変わりました。
便利さを享受する一方で、新たな問題も生じています。
その一つが、プライバシーの侵害です。
特に、盗撮という行為は深刻な問題となっています。
2023年6月23日、日本では…
「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」
が成立し、同年7月16日より施行され、法律による厳しい規制が行われるようになりました。
この法律は一般的に「盗撮罪」と呼ばれています。
この記事では、「盗撮罪」について、その定義や法律による規制、そして私たちがどのように身を守ることができるのかについて、分かりやすく説明していきます。
【もくじ】
1)盗撮罪とは何か?
2)法律による盗撮の規制
3)盗撮罪の法定刑
1)盗撮罪とは何か?

盗撮罪とは、他人のプライベートな瞬間を、その人の同意なく撮影する行為を指します。
これには、スカートの中や更衣室、トイレなど、個人がプライバシーを望む場所での撮影などです。
また、自宅や公共の場所に隠しカメラを設置し、他人の私生活をこっそりと撮影する行為も含まれます。
さらに、ウェブカメラのハッキングやスマートフォンのカメラを不正に操作して、他人を秘密裏に撮影する行為(デジタルピーピング)も盗撮罪の対象となります。
このような行為は、被害者が知らないところで行われ、後になって自分が撮影されていたことを知ることがあります。
これは、被害者のプライバシーを侵害するだけでなく、精神的なダメージを与える可能性もありますよね。
そのため、盗撮は法律で厳しく禁じられており、犯罪行為として厳しく処罰されます。
盗撮の被害を防ぐためには、公共の場所でのプライバシーを尊重する文化を育てることが重要です。
これにより、みんなが安心して過ごせる環境を作ることができますよね。
そのため、学校や家庭での教育が重要になってきます。
そして、もし自分が盗撮の被害にあったと感じたら、迷わず、すぐに警察に通報して下さい!
自分だけでなく、他の人々のプライバシーも守るために、私たちは皆で協力して盗撮を防ぐ必要があるのです。
2)法律による盗撮の規制

「盗撮罪」は刑法の改正によって独立した新たな罪が設けられました。
また、各都道府県の条例で盗撮行為も処罰していましたが、対応できなくなってきたことも新設の背景にあります。
盗撮罪ができるきっかけとなった事件の一つに、2013年のキャビンアテンダントの盗撮事件があります。
この事件では、機内で客室乗務員のスカートの中を撮影したとして男性が逮捕されましたが、場所の特定ができず不起訴となりました。
このような事件もきっかけの一つとなり全国一律で盗撮行為を処罰する「撮影罪」が新設されました。
新設された「撮影罪」では、性的姿態が対象とされています。
性的姿態とは、性器やお尻、胸部などの性的な部位、下着、わいせつな行為や性交等がされている間の姿態を指します。
処罰されるケースは、以下の3つです。
❶正当な理由なく人の性的姿態をひそかに撮影する行為
例えば、トイレや電車などでの撮影がこれに当たります。
❷同意できない状態の被害者を撮影する行為
例えば、被害者が眠っている間や、脅迫や恐怖により撮影を拒否できない状況での撮影がこれに当たります。
❸被害者を誤信させて撮影する行為
例えば、医療行為を装い、その過程で被害者を撮影することがこれに当たります。
これらの行為は、被害者の同意を得ずに、または誤った情報に基づいて行われるため、法律で禁止されています。
これらの行為は個人のプライバシーと尊厳を侵害するため、違反者は厳しく罰せられます。
また、ある人が他人に対して、自分の性的な姿を撮影することを強要した場合も問題です。
撮影される側の人がその場の雰囲気や、相手からの圧力などにより、撮影を許可することになったとしても、本心ではその撮影を望んでいなかった場合、この撮影行為も盗撮罪として処罰される可能性があります。
つまり、盗撮罪の対象は典型的な「盗撮」だけではありません。
撮影される側が性的な姿を撮影されたこと自体を認識していたとしても、その撮影に本心から同意したとはいえない場合には、「撮影罪」として処罰される可能性があります。
また、撮影罪は被写体の同意があれば罰せられないのが原則です。
しかし、撮影される人が16歳未満だとしたら、たとえ撮影に同意があったとしても、撮影者が罪に問われる可能性があります。
これは、16歳未満の子どもが自己の性的な権利を適切に理解し、保護する能力が十分に備わっていないと考えられるためです。
13歳以上16歳未満の人の性的姿態等を撮影した場合には、撮影者と相手が5歳未満であれば処罰の対象になりません。
これは、同年代どうしでの恋愛を保護するためといえます。
例えば14歳の中学生が17歳の高校生に撮影の同意を与えた場合はセーフです。
一方、同意がなくても処罰されないケースもあります。
例えば、公共の場で行われるイベントの撮影(スポーツフェスティバル・フェスティバル等)や、個人的な記録としての写真撮影など、正当な理由がある場合は処罰されません。
ただし、これらの行為も、撮影される人のプライバシーを侵害するような方法で行われた場合は、処罰の対象となる可能性があります。
例えば、出演者が食事をしている最中や、衣服を調整している最中など、プライバシーを望んでいる瞬間の撮影は問題となります。
また、撮影した写真や映像を、被写体の許可なくインターネット上に公開する行為もプライバシーの侵害として問題のある行為といえるでしょう。
いずれにせよ、撮影罪の成否は「正当な理由や本心からの同意があるかどうか」という具体的な状況に応じて判断されます。
3)盗撮罪の法定刑
盗撮罪の法定刑は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金となりました。
(拘禁刑は従来の懲役刑又は禁固刑に該当します。 施行は2025年6月1日からです。)
かつての東京都迷惑防止条例における罰則は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」でした。
それと比べて撮影罪の新設により刑が厳罰化されたといってもよさそうですね。
撮影罪にはその他にも犯罪に当たる場合があります。
参考まで・・
・盗撮画像を第三者に提供する「提供罪」
→ 3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金・提供目的で保管する「保管罪」
→ 2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金・盗撮画像だと認識した上で記録する「記録罪」
→3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金※ 「提供罪」は、不特定多数の者へ提供したり、公然と陳列した場合には罰則が重くなり、「5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金又はその両方」が科せられます。
これらの罪は、個人のプライバシーを侵害する行為であり、法律で厳しく禁じられています。
これらは、個人のプライバシーを侵害する行為であり、法律で厳しく禁じられています。
まとめ
盗撮罪は、私たちのプライバシーを守るための重要な法律です。
この法律により、盗撮行為が厳しく処罰されることで、私たちの日常生活がより安全なものになることを期待します。
この記事は、中高生から社会人まで幅広い層に向けて、盗撮罪について理解を深めることを目的としています。
盗撮罪の知識を持つことは、自分自身を守るだけでなく、他人のプライバシーを尊重する社会を作る第一歩ではないでしょうか。
(補足)
“同意したとは言えない”状況についても具体的に明文化されました。
・暴行 脅迫を用いる
・アルコール又は薬物を摂取させる
・拒絶するいとまを与えない
・睡眠や意識不明の状態にする
・経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力を利用する
以上が明文化された“同意したとは言えない”状況です。
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