あなたは、自宅の玄関やポストに「セールスお断り」「チラシお断り」のステッカーを貼っていませんか?
もし貼っているとしたら、それはどんな意味があるのでしょうか?
読んで字のごとく、このステッカーは、自宅への不要な訪問や広告物の投函を防ぐための表示です。
それ自体に法的な強制力はありませんが、社会的なルールとして尊重されるべきです。
それらのステッカーを無視した場合の具体的な罰則は、特定の法律で定められているわけではありませんが、無視することは良いマナーとは言えませんよね。
そもそも、このようなステッカーで防止できたらみんなやってるかもしれません・・
今回の記事では、以下の内容について説明します。
【もくじ】
1)「セールスお断り」「チラシお断り」のステッカーの意味とは何か
2)ステッカーを無視した場合の社会的な影響は何か
3)ステッカーを尊重しなかった場合にはどうすればいいのか
1)「セールスお断り」「チラシお断り」のステッカーの意味とは何か
「セールスお断り」「チラシお断り」のステッカーを貼るということは、自分の意思を表明するということです。
つまり、自分の家にはセールスやチラシを持ってきてほしくないということを伝えるていますよね。
ただ、このステッカーがまったくの「無用の長物」というわけでもないんです。
これは、民法第709条に基づく不法行為の防止につながります。
民法第709条 (不法行為)
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
不法行為とは、他人の権利や利益を侵害する行為のことです。
例えば、自分の家に勝手に入ってくる人や、自分のポストに勝手にチラシを入れる人は、自分の所有権(敷地)や居住権を侵害していると言えます。
これは、自分の平穏な生活を妨げることになりますよね。
ステッカーを貼ることで、自分の意思を明確にすることができます。
これにより、セールスやチラシを持ってくる人は、自分の意思を無視して侵入することになります。
これにより、不法行為に当たる可能性が高くなるわけです。
(必ず不法行為に当たるわけではありません。)
したがって、ステッカーを貼ることは、自分の権利や利益を守るための有効な手段と言えると思います。
2)ステッカーを無視した場合の社会的な影響は何か
ステッカーを無視した場合の社会的な影響について説明しますね。
ステッカーを無視してセールスやチラシを持ってくる人は、不法行為を犯していると見なされる可能性があります。
その場合、民法第709条により、損害賠償を請求されることがあります。
例えば、セールスやチラシによって自分の時間や精神を奪われた場合、それに相当する金額を請求することができることになります。
また、セールスやチラシによって自分の家やポストが汚れたり壊れたりした場合、それにかかった修理費や清掃費を請求することもできます。
損害賠償の請求は、民事訴訟の手続きを通して行われます。
裁判所は、両者の主張や証拠を慎重に検討した上で、どちらに理があるかを判断します。
そして、判断の結果を判決という形で発表します。
判決には、被告が損害賠償を支払うかどうか、支払う場合はいくら支払うか、などが記されています。
民事訴訟は、時間や費用がかかることが多いとよく言われますよね。
確かにそのとおりです。
なのでステッカーをめぐる裁判は実益がないといえるかもしれません。
また、裁判所の判断は、必ずしも自分の思い通りになるとは限りませんしね。
しかしながら、ステッカーを無視してセールスやチラシを持ってくる人は、民事訴訟のリスクを頭の片隅に入れておくべきではないでしょうか。
なぜならば、万が一でも訴訟を起こされて、自分にとって不利な結果になる可能性がないとはいえないからです。
3)ステッカーを尊重しなかった場合にはどうすればいいのか
ステッカーを貼っているにもかかわらず、セールスやチラシを持ってくる人がいた場合、どうすればいいのでしょうか?
例えば、泣き寝入りして自分の大切な時間を費やせばよいのでしょうか?
逆に相手に感情的になって暴言や暴力をふるうことは、絶対にしてはいけないことです。
それでは、自分が不法行為を犯すことになってしまいますから。
また、相手に対して、損害賠償を請求すると言って脅すことも、いけないことです。
脅迫にもなりかねませんので法的問題や、倫理的な問題でもあり、また人間関係を破壊する可能性があるため、避けるべきです。
それでは、自分が不当な要求をすることになってしまいます。
現実には、そんなこと言ってしまいそうな人もいますけどね•••。
では、具体的にはどうすればいいのでしょうか?
以下に、いくつかの対処法を紹介します。
□ ステッカーを指摘する:相手にステッカーを見せて、自分が広告を拒否していることを伝えて下さい。
相手は、ステッカーに気づいていなかったかもしれません。
また、ステッカーの意味や、それが広告を拒否する意思表示であることを冷静に説明するのもいいかもしれませんよね。
セールスやチラシの配布には、何よりも冷静に対処することが大切です。
ステッカーを指摘することで、相手は、自分の行為が不適切であることを認識して、やめてくれる可能性があるかもしれません。
そしてもし、相手がステッカーを無視して続ける場合は、次の対処法を試してみて下さい。
□ 断る:相手にはっきりと「断ります」と伝えて下さい。
相手に興味や関心がないことを分かってもらうことは大切なことです。
改めて、相手に自分の家に入ったりポストに入れることをやめるように要求して下さい。
相手は、もしかしたら、自分の行為が不愉快や迷惑であることを理解して、引き下がってくれるかもしれませんよね。
もし相手が断ることを受け入れない場合は、更に次の対処法を試してみて下さい。
□ 記録する:相手の顔や服装、セールスやチラシの内容、日時や場所などを記録にとって下さい。
写真や動画などで証拠がとれればベストです。
顔や服装を撮ることについては、一般的には、公共の場所であれば法的に許されていますが、プライバシーの侵害となる可能性もありますので十分に配慮して下さい。
紙や写真、動画に記録することは、自分の権利や利益が侵害されたことを証明するために役立ちます。
また、相手に記録していることを伝えることも大切です。
相手は、自分の行為が証拠として残ることを恐れて、やめてくれるかもしれません。
もし相手が記録することを妨害したり、脅迫したりする場合は、更なる対処法があります。
□ 通報する:相手の行為が不法行為であることを確信した場合、警察や消費者センターなどに通報してみて下さい。
これは、自分の権利や利益を守るための最終手段です。
通報することで、相手に対して、警告や指導、罰金や逮捕などの措置がとられる可能性があります。
これは、相手にとって大きな制裁となりますよね。
また、通報することで、他の人にも同じ被害が起こらないように予防することができます。
ただし、通報する前に、具体的な法律(刑法や民法)や条例(迷惑防止条例)を確認し、自分の行為が適切であることを確認することも必要です。
そのためには、専門家のアドバイスが必要になるかもしねません。
まとめ
「セールスお断り」「チラシお断り」のステッカーを貼ることは、自分の意思を表明することです。
これは、民法第709条に基づく不法行為の防止につながる可能性があります。
しかし、ステッカーを無視してセールスやチラシを持ってくる人が必ずしも損害賠償を請求されるわけではありません。
具体的な法律や条例によります。
ステッカーを守られなかった場合には、ステッカーを指摘する、断る、記録する、通報するなどの対処法があります。
これらの対処法を使って、自分の権利や利益を守るようにして下さい。
ただし、通報する前に、具体的な法律や条例を確認し、自分の行為が適切であることを確認してください。
必要であれば、法律の専門家に相談することをおすすめします。