突然ですが、もしあなたの大切な人が亡くなったとき、その人の銀行口座にあるお金はどうなるか知っていますか?
知ってる人もいると思いますが、銀行口座が凍結されるんです。
この記事では、そんな時に必要な手続きと制度について、誰でも理解できるように解説します。
【もくじ】
1)口座凍結とは?
2)口座凍結前の引き出しの問題点
3)口座凍結後の引き出し方法
1)口座凍結とは?
あなたは、大切な人、例えば夫が亡くなった場合、銀行口座が凍結されるということをご存知ですか?
これは、大切な人が亡くなったときに行われる手続きの一つなんです。
その人の銀行口座が「凍結」されるということは、一時的にお金を引き出すことができなくなるということです。
例えば、専業主婦の恵理子さんがいたとします。
恵理子さんの夫が亡くなったとき、夫の銀行口座は凍結されます。
これは、遺産を守るために必要な手続きなんです。
だから、恵理子さんがすぐに夫の口座からお金を引き出すことはできません。
でも、心配しないでください。
口座が凍結されたからといって、ずっとお金を引き出せないわけではありません。
適切な手続きを踏めば、お金を引き出すことが可能になります。
その手続きについては、次の章で詳しく説明します。
皆さんも、大切な人が亡くなったときには、この「口座凍結」という制度を知っておくと便利ですよ。
それでは、次に進みましょう!
2)口座凍結前の引き出しの問題点
皆さん、口座が凍結される前にお金を引き出すことは可能だと思いますか?
実は、それなら可能なんです。
でも、ちょっと待ってください。
それは本当に良いことなのでしょうか?
例えば、社会人の佐藤さんがいるとしましょう。
佐藤さんのおばあさんが亡くなったとき、おばあさんの銀行口座はまだ凍結されていませんでした。
そこで、佐藤さんはおばあさんの口座からお金を引き出しました。
でも、それは問題があるんです。
一つ目の問題は、遺産分割がまだ行われていない場合、佐藤さんが引き出したお金は他の相続人の分も含まれている可能性がありますよね。
これは、他の相続人から見れば不公平な行為といえます。
二つ目の問題は、税金の問題です。
遺産として受け取ったお金には相続税がかかる場合があります。
しかし、口座凍結前に引き出したお金は、その計算に含まれない可能性があります。
これは、後で税務署から追徴課税を受けるリスクがあるんです。
だから、口座が凍結される前にお金を引き出すことは、一見便利に見えても、実は大きな問題を抱えているんです。
あなたも、大切な人が亡くなったときには、この点をしっかりと理解しておくことが大切ですよ。
それでは、次の章で口座凍結後の引き出し方法について詳しく見ていきましょう!
3)口座凍結後の引き出し方法
口座が凍結された後でもお金を引き出すにはどうしたらよいと思いますか?
可能は可能なんですが、いったいどうやって引き出すのでしょうか?
例えば、社会人の鈴木さんがいるとしましょう。
鈴木さんのおばさんが亡くなったとき、おばさんの銀行口座は凍結されました。
でも、鈴木さんは適切な手続きを踏むことで、おばさんの口座からお金を引き出すことができたんです。
その手続きとは、「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」という何やらあまり耳にしない難しそうな手続きを利用するんですね。
これは、遺産分割前であっても被相続人の銀行口座から、一定額まで引き出すことができる制度なんです。
ただし、この制度を利用するためには、いくつかの書類が必要です。
それは、「亡くなった方の戸籍謄本」「亡くなった方の除籍謄本」「相続人全員の戸籍謄本」「引き出しをする相続人の印鑑証明書」の4点です。
基本、亡くなった被相続人については、コセキ+ジョセキ。
相続人はコセキ(全員)の。
+引き出しする人の印鑑証明証。
とでも覚えておいて下さいね。
これらの書類を揃えて、銀行に提出することで、口座凍結後でもお金を引き出すことが可能になるんです。
ただし、この手続きは一般的なものであり、具体的な手続きは金融機関や状況により異なるため、詳細は各金融機関にご確認ください。
あなたも大切な人が亡くなったときには、この「口座凍結後の引き出し方法」を知っておくと便利ですよ。
民法第909条の2 (遺産の分割前における預貯金債権の行使)
各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の三分の一に第900条及び第901条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。
民法第900条(法定相続分)
同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
民法第901条(代襲相続人の相続分)
第887条第2項又は第3項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。
まとめ
皆さん、今回の記事を読んで、亡くなった家族の銀行口座からお金を引き出すための制度と手続きについて理解できたでしょうか?
大切な人が亡くなったときには、様々な手続きが必要になります。
その中でも、銀行口座からのお金の引き出しは、特に重要なポイントですよね。
今回は、「口座凍結とは?」、「口座凍結前の引き出しの問題点」、「口座凍結後の引き出し方法」、「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」について見てきました。
ただし、この手続きは一般的なものであり、具体的な手続きは金融機関や状況により異なるため、詳細は各金融機関にご確認ください。
大切な人が亡くなったときには、悲しみに暮れるだけでなく、様々な手続きも必要になります。
その中でも、銀行口座からのお金の引き出しは、特に重要なポイントです。
この記事が、そんな時に少しでも皆さんの役に立てれば幸いです。
補足)
「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」制度を利用する際には、相続放棄ができなくなったり、遺言があると利用できないなどの注意点も。
遺産分割前の相続預金の払戻し制度を利用すると相続人としての責任をまっとうする必要があるため、相続放棄はできません。
また、遺言がある場合その内容に従う必要があるため遺産分割前の相続預金の払戻しができません。
これらの点を考慮に入れつつ、適切に利用することが求められます。