満員電車に乗って、手や体、鞄が女性のデリケートな部分に当たりそうになったとき「あ っ!ヤバっ!ちょっと待って、そういうつもりじゃ~」っていう経験はありませんか?
「この人痴漢です!!」という声とともに腕を捕まれ、次の駅で怒りだす女性と駅員に駅員室に連れ込まれ、エスカレーター式に駅員→警官→パトカー→警察署...と考えただけでゾッとしますよね。
ということで、今回は痴漢の冤罪事件に巻き込まれないためにというテーマでお話しします。
この記事を読むと痴漢の冤罪事件に巻き込まれない方法、万が一巻き込まれたときにするべきこと、そしてしてしてはいけないことが分かります。
【もくじ】
1)痴漢冤罪事件に巻き込まれないようにする4つのこと
2)事件に巻き込まれたらする8つのこと
3)事件に巻き込まれたらしてはいけない4つのこと
4)示談について
1)痴漢冤罪事件に巻き込まれないようにする4つのこと
かねてより、痴漢を撲滅しようという運動がある一方、痴漢冤罪事件も発生しているようです。
※ 古くは、平成21年 防衛医大教授痴漢冤罪事件 や平成23年 三鷹バス痴漢冤罪事件
痴漢事件の大きな特徴は、「いくらやっていない」と主張したところで、有罪は99.9% 。
仮に無罪判決を勝ち取ったとしても信用やイメージの回復はなかなか大変で社会復帰は難しいとのこと。
そんな厳しい状況に陥らないためにも、以下に痴漢に間違えられないための方法4つを整理してみました。
①電車やバス内では、女性の近くに立たない。
②両手は顔より高い位置に置く。
③公共交通機関をなるべく利用しない。
④満員電車を極力避ける。 などです。
これらのアドバイスは、痴漢冤罪を避けるための一般的なガイドラインであり、絶対的なものではありません。
つまり状況によるということです。
また、これらのアドバイスが全ての冤罪を防ぐわけではないことも当たり前に理解できますよね。
冤罪は複雑な問題であり、社会全体の理解と対策が必要です。
2)事件に巻き込まれたらすべき8つのこと
次は、万が一事件に巻き込まれた時にする7つのことをお話しします。
①犯人でないことをアピールし、「冷静に対応する」です。
ここでのポイントは、オロオロしないで「冷静に対応すること」です。
そして、絶対にしてはいけないのが、女性や駅員に責められ、パニックになり駅員室に入ってしまうことです。
駅員室に入ると→駅員→パトカー→警察署とベルトコンベーアー式に手続きが流れてしまいます。
②「冷静に対応する」ことも実際は難しいことだと思いますが、困難なときは「弁護士を呼びます」と言って電話をして下さい。
そのためにも、普段からネットで刑事事件に強かったり、痴漢冤罪を取り扱っている弁護士、スピーディーに駆けつけてくれる弁護士などを検索し電話番号の登録をお願いします。
ちなみにですが、日本弁護士連合会に所属する当番弁護士は、警察に捕まった時、要請後24時間以内に救済を求める者に会わなければならないのですが、一回だけの無料の弁護士です。
どんな人が来るかもわかりませんし、相性や得意・不得意があるので個人的にはおすすめできません。
痴漢冤罪事件は万が一、起訴されて長い付き合いになるかもしれないのです。
この弁護士なら(この事務所なら)初動から最後までお願いしたいというところを何名(いくつ)か選んで電話登録しておくようおすすめします。
③そして、体調不良を理由に会社に欠勤届をして下さい。
警察が現場に来る前に何がなんでも終わらせるように。
警察が来ると電話は事実上不可能になるため、可能であれば弁護士への電話とともに済ませておきます。
(あくまで会社への電話が先です。弁護士への電話はあとからでも権利としてできますから。)
仮に逮捕されなくても取調べに時間を要すると、大幅な遅刻となってしまいます。
逮捕されてしまうと早くても翌日の午後まではかかるはず。
そのようなときは、弁護士→家族→会社経由で電話すれば、翌日も無断欠勤にはなりません。
④家族に電話する。
家族には、痴漢の冤罪事件に巻き込まれたこと、駅名、法律事務所名を伝えて下さい。
弁護士、会社、家族と、3箇所に電話は至難の技なので、最低、会社に電話ですね。
弁護士は後からも呼べるのでそちら経由で家族にも連絡が着くと思います。
もし、可能であるならば、弁護士への連絡は、駅のホームでして下さい。
弁護士からどうしたらいいか指示が出ると思いますのでそれに従うようお願いします。
弁護士が来てくれる場合は、ホームで待ち、間違っても駅員室には入らないように注意して下さい。
⑤被害者女性と警察の会話を覚えておく。
ここからが、テクニックを要するところですね。
痴漢と疑われると、女性、周囲の乗客、駅員、警察など多くの人と会話しなければなりません。
それを逐一覚えておくのは困難なことです。
そこで、会話の内容をしっかりと覚えておくことが重要です。
注意して欲しいのは、スマホを操作する際、証拠隠滅をしているのではないかと疑われないよう、コソコソではなく、堂々と行って下さい。
また、スマホでの同意のない録音は違法になります。
そこで、会話の内容を覚えておくことにより、女性のあいまいな発言を指摘でき、もしかしたら、周囲の乗客がした有利な発言を拾いあげることができるかもしれません。
そして、自分は話を慎み被害女性に多くを語らせ、後で不利益な証拠となる言葉を残さないようにして下さい。
⑥冤罪であることを証言できる目撃者を探す。
女性との会話だと「やった」「やらない」「やった」「やらない」の押し問答になります。
そこで、冤罪となる目撃を「即座」にさがすことが重要になります。
自分は何もしていないことを堂々とアピールしつつ、「即座」に周囲の乗客に声をかけ目撃者を募って下さい。
「即座」にというのは、目撃者がその場を立ち去ってしまうかもしれないからです。
目撃者から「あの手は触れられない位置にあったのでやっていない」という証言を引き出せれば状況は好転。
その場合には、目撃者にしばらく同席してもらい駅員や警察官などにも証言してもらいましょう。
それが難しければ、名刺をもらったり、目撃者の証言を録音・録画しておくのが良いでしょう。
⑦証拠として繊維鑑定を依頼する。
ここ数年は、警察も自供だけでなく、物的証拠を意識するようになってきています。
警察官に手のひらに繊維片がついていないことをつついてみるのもいいかもしれません。
場合によっては、繊維鑑定の依頼をすることもできます。
繊維鑑定の結果、繊維片が検出されなければ、冤罪の強力な証拠になります。
⑧自分が痴漢ではないと大声で主張しても信じてもらえないようであれば運転免許証や会社の名刺などの身分を証明するものを提示して下さい。
これにより、自分は潔白で逃げも隠れもしないというアピールとなります。
被害者が納得した様子であるならば、穏便かつ速やかににその場を立ち去りましょう。(走り去ってはいけません)。
以上が、痴漢冤罪に巻き込まれた場合の対処法になります。
しかし、これらのアドバイスは一般的なものであり、具体的な状況によっては適切な対応が異なる場合があります。
そのため、具体的な法的問題に直面した場合は、必ず専門の法律家に相談してください。
また、無実の人が冤罪で苦しむことがないよう、社会全体で冤罪問題について理解を深め、適切な対策を講じることが重要です。
それでは続きは【後編】痴漢冤罪防止マニュアルでお会いしましょう。