
大切な人からプレゼントをもらったときって、とてもうれしい気持ちになりますよね。
そして、それをワケあってのちに返すことになるとは、思いもしませんよね。
というのも、特定の条件下では、返さなければならないプレゼントもあるんです。
プレゼントは一般的に「贈与」として扱われます。
この贈与契約にはいくつかの種類がありますが、今回は「返さなければならないプレゼント」について主に紹介したいと思います。
【もくじ】
1)贈与契約とは何か
2)贈与契約の原則:返す必要はない
3)「貸しただけ」と主張された場合の対応
4)恋人と別れたらプレゼントは返すべきか
1)贈与契約とは何か
「贈与契約」とは何でしょうか?
例えば、あなたが誕生日やクリスマスのプレゼントを友人からもらったとき、それは贈与契約の一例と言えますよね。
では、他にも具体例を考えてみましょう。
あなたが会社で働いていて、上司から「頑張ったな、これを君にあげるよ。」
と言われて高価なボールペンをもらったとします。
これも贈与契約の一例です。
あなたがそのボールペンを受け取った時点で、贈与契約が成立します。
民法第549条(贈与)
贈与は、当事者の一方がある財産権を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
しかし、もし上司が後日、「あれは貸しただけだ、返せ」と言ってきたらどうでしょうか?
贈与契約が成立している場合、原則として一方的に取り消すことはできません。
なぜなら、贈与契約は一度成立すると、原則として一方的には取り消せないからです。
ただし、これには例外があります。
(難しそうな法律用語が出てきますが分かりやすく説明するので安心して下さい。)
それが「解除条件付き贈与」です。
例えば、分かりやすい例でいうと、結婚を前提に贈られた婚約指輪は、結婚が成立しなかった場合、返す必要があります。
これは「結婚しなかったら返して欲しい」という条件が付けられているため、「贈与を解除する条件」と呼ばれます。
これが、もらっておいて返さなければいけないプレゼントの一例です。
また、結納金も同じです。
結納金は、結婚を前提に贈られるものなので、結婚が成立しなかった場合には返す必要があります。
しかも、「結婚しない場合は返す」という明確な約束がなかったとしても、社会通念上、返す義務が認められる可能性があります。
贈与契約は日常生活の中で頻繁に行われている契約ですが、そのルールを知っておくと、もしトラブルが起きたときに役立つでしょう。
2)贈与契約の原則:返す必要はない

「贈与契約の原則、返す必要はない」って知ってましたか?
これは、一度贈与契約が成立したら、原則として一方的には取り消せないからです。
例えば、あなたが友人から誕生日プレゼントとして高価な腕時計をもらったとしましょう。
その後、友人が何かの理由で「それ、返して」と言ってきたとします。
でも、安心してください。
法律的には、あなたはその腕時計を返す必要はありません。
なぜなら、あなたがその腕時計を受け取った時点で、贈与契約がすでに成立しているからです。
そして、一度贈与契約が成立すると、原則として一方的には取り消せないんです。
ただし、これには例外もあります。
それが先ほどの「解除条件付き贈与」ということになります。
3)「貸しただけ」と主張された場合の対応

「あれはプレゼントではなく貸しただけ。だから返して。」
と言われたことはありませんか?
これは、贈与ではなく貸し借りの関係を主張する場合ですね。
しかし、その主張が通るかどうかは、証拠があるかどうかによります。
例えば、あなたが友人から高額なカメラを「使ってみて」と言われて借りたとします。
その後、友人が「それ、返して」と言ってきたとき、あなたは返す必要があります。
なぜなら、それは貸し借りの関係だからです。
この場合、友人が「貸した」と主張するなら、それを証明する責任は友人にあります。
つまり、友人が「貸した」という事実を証明できなければ、あなたはカメラを返す必要はありません。
しかし例えば、もし友人がLINEやメールで「返してね」という約束をしていたら、それは貸し借りの証拠となります。
その場合、あなたはカメラを返す義務があります。
4)恋人と別れたらプレゼントは返すべきか

恋人からのプレゼント、別れたら返すべきでしょうか?
これは、多くの人が経験するかもしれない疑問ですよね。
実は、この答えも「贈与契約」によって決まります。
例えば、あなたが恋人からバレンタインデーに高価なチョコレートをもらったとします。
その後、何らかの理由で別れることになり、元カノが「それ、返して」と言ってきたとき、あなたは返す必要があるでしょうか?
答えはすでに贈与契約が成立しているから「原則として、返す必要はない」でしたね。
そして、これに非常に似て非なるもので・・例えば・・
そのチョコレートは特別なもので、恋人が仮に「これをあげるけど、もし私たちが別れたら返してね」と言って贈ったとします。
これは、贈与契約に解除条件が付いている例です。
その後2人は別れた場合、あなたは元カノにチョコレートを返さなければなりません。
このように、恋人からのプレゼントを返すべきかどうかは、贈与契約の原則と例外によって決まります。
皆さんも、この知識を持っておくことで、もし何かのトラブルが起きたときにも、自分の権利を守ることができますね。
まとめ
それでは、今回の内容をまとめてみましょう。
贈与契約とは、一方が自分の財産を相手方に無償で与え、その相手方がこれを承諾することによって成立する契約のことです。
そして、一度贈与契約が成立すると、原則として一方的には取り消せないんですよね。
しかし、例外として「解除条件付き贈与」があります。
これは、特定の条件が満たされた場合には贈与が無効になる、つまり返す必要が出てくるというものです。
また、もとの持ち主が「貸した」と主張した場合でも、その立証責任は主張する側にあります。
つまり、もとの持ち主が「貸した」という事実を証明できなければ、あなたは返す必要はありません。
恋人からのプレゼントも同じです。
もらったプレゼントを返すべきかどうかは、贈与契約の原則と例外によって決まります。
皆さんも、贈与契約についてしっかりと理解しておいて下さいね。
補足)
父が息子に、高校に合格したら新しいスマホをプレゼントすると約束したとします。
この契約のことを「停止条件付贈与契約」といいます。
合格までは贈与の効力が停止され、合格で効力をもつ贈与契約になるためこのようによばれます。
民法第127条(条件が成就した場合の効果)
1 停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
2 解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。
解除条件付きの契約とあわせて覚えておけば理解が進むかもしれませんね。
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