
「自己破産」・・誰もが一度は耳にしたことがある言葉でしょう。
では、いったい自己破産とはどのようなものなのでしょうか?
自己破産とは、借金が多すぎて返せないときに、裁判所に申し立てて、借金をなくしてもらうことです。
自己破産をすると、自分の財産はほとんど手放さなければなりませんが、借金の返済義務もなくなります。
自己破産は、借金に苦しむ人にとって救いの手段になることもありますが、メリットだけではありません。
デメリットもたくさんあります。
自己破産をするかどうかは、慎重に考える必要があります。
この記事では、自己破産について、以下の内容【もくじ】について順をおって説明します。
【もくじ】
1)自己破産のメリット
2)自己破産のデメリット
3)自己破産の流れ
4)自己破産の注意点
自己破産に興味がある方や検討中の方はぜひ最後までお読みください。
1)自己破産のメリット

自己破産をすると、どんなメリットがあるのでしょうか?
主なメリットは、以下の3つです。
①借金が免責になる(ゆるされる)
②取り立てや督促がストップする。
③新たなスタートが切れる。
①から順番に見ていくことにしましょう。
①借金が免責になる
自己破産をすると、裁判所から免責の決定が出れば、借金がなくなります。
免責とは、借金の返済義務がなくなることです。
つまり、自己破産をすれば、借金を一括でチャラにすることができます。
免責になる借金は、ほとんどの消費者金融やクレジットカード、銀行などの金融機関からの借金です。
ただし、免責にならない借金もありますのでご注意を!
例えば、税金や罰金、慰謝料、養育費、学生ローンなどは、免責になりません。
免責になる借金とならない借金は、事前に確認しておく必要があります。
②取り立てや督促がストップする。
自己破産をすると、債権者(借金を貸した人や会社)からの取り立てや督促がストップします。

これは、破産法第24条によるものです。
破産法第24条は、破産手続きが始まったら、債権者は、破産者(借金をした人)に対して、借金の返済を求めることができなくなるということを定めています。
つまり、自己破産をすれば、電話や手紙、訪問などでの催促が止まります。
精神的にも楽になれるのではないでしょうか?
もし、債権者が取り立てや督促を続けたら、違法行為になります。
その場合は、弁護士や裁判所に相談することができます。
③新たなスタートがきれる
自己破産をすると、借金の重荷から解放され、新たなスタートがきれます。

借金によって、生活や心に大きな影響を受けている人も多いと思います。
自己破産をすれば、借金の問題を一度に解決することができるんです。
もちろん、自己破産にはデメリットもありますが、それを乗り越えて、再び自立していくこともできます。
自己破産は、借金に苦しむ人にとって、希望の光になることもあります。
自己破産の光をみてきましたが次の章では、影の部分も見ておきましょう。
2)自己破産のデメリット

自己破産をすると、どんなデメリットがあるのでしょうか?
主なデメリットは、以下の4つです。
❶財産を失う
❷信用情報に傷がつく
❸免責不許可になる可能性がある
❹費用がかかる
それでは❶から順に見ていくことにしましょう。
❶財産を失う
自己破産をすると、自分の財産はほとんど手放さなければなりません。
これは、破産法第34条によるものです。
破産法第34条は、破産手続きが始まったら、破産者の財産は、すべて破産管財人(裁判所が選んだ人)に引き渡すということを定めています。
余談ですが、破産管財人は、裁判所が指定する第三者的な弁護士です。
これは、破産者の財産を公平に管理・処分する役割を果たすため、中立的な立場の弁護士が選ばれます。
破産管財人は、破産者の財産を売却して、そのお金で債権者に分配します。
つまり、自己破産をすれば、自分の持っているものはほとんどなくなります。
ただし、生活に必要な最低限の財産は、手放さなくてもいいことになっています。
どんなものか興味がありませんか?
例をあげれば、例えば、衣服や寝具、食器、冷蔵庫、洗濯機、テレビなどは、生活に必要な財産として認められます。
しかし、車や土地、家、貴金属、株式、預金などは、生活に必要な財産として認められません。
生活に必要な財産として認められるかどうかは、裁判所の判断に基づきます。
❷信用情報に傷がつく
破産宣告をすると、信用情報に傷がつきます。
信用情報とは、個人の金融取引の履歴や信用状況を記録したものです。
信用情報は、クレジットカードやローンなどの審査に使われます。
自己破産をすると、信用情報機関に登録され、最長10年間は消えません。
つまり、自己破産をすれば、10年間はクレジットカードやローンなどの金融サービスを利用できなくなります。
また、信用情報に傷がつくと、就職や転職、賃貸契約などにも影響が出ることがあります。
これは、信用情報は就職や転職しようとする企業や賃貸人が見てその人の金銭管理能力を判断することができるからです。
(全ての企業や賃貸人が必ずしも信用情報を参照するわけではありません。)
このように信用情報に傷がつくことで、社会的な不利益になることもあるということです。
❸免責不許可になる可能性がある。
自己破産をすると、必ずしも借金が免責になるとは限りません。

自己破産→必ず免責と思っている人もいるようで、ここは注意が必要ですね。
裁判所は、破産者の借金の原因や経緯、生活状況などを調べます。
そのうえで、免責を許可するかどうかを判断します。
この判断は、破産法第246条に基づいて行われます。
破産法第246条は、免責を不許可にする場合を列挙しています。
例えば、以下のような場合は、免責を不許可にされる可能性があります。
・借金の原因が不正行為や詐欺などの犯罪による場合。
・借金の原因がギャンブルや浪費などの無駄遣いによる場合。
・借金の額が過度に多く、返済能力があるにもかかわらず、破産宣告の申し立てをした場合。
・破産宣告の前後に、財産を隠したり、虚偽の申告をしたり、債権者に不利益を与えたりした場合。
免責不許可になると、借金の返済義務はそのまま残ります。
また、信用情報にも傷がつきます。
そのため、免責不許可にならないようにするには、自己破産をする前に、弁護士や司法書士などの専門家に相談することが重要ですね。
❹費用がかかる

自己破産をすると、費用がかかります。
自己破産の費用は、以下のように分けられましたね。
・弁護士費用
・裁判所費用
・破産管財人報酬
弁護士費用は、平均的には、30万円から50万円程度です。
借金をかかえてるのにこの額の弁護士費用はきついですよね。
そこで…
弁護士費用は、分割払いや後払いにすることもできます。
但し、一部は前払いにする必要があります。
裁判所にも費用を納めなければいけません。
これは、自己破産をするために、裁判所に支払う費用です。
裁判所費用は、自己破産の申し立て時にかかる申立金(3万円前後)と、破産手続きが終了するときにかかる印紙代(500円)の2種類があります。
破産管財人報酬は、自己破産をするために、破産管財人に支払う費用です。
売却益の15%から25%程度です。
破産管財人報酬は、後払いにすることができますが、破産者の財産がない場合は、自己負担になることがあります。
そうなったら最悪ですよね。
〜必要費用〜
▶︎ 弁護士費用:30〜50万円
(一部前払い+分割払いや後払いも可能)
▶︎ 裁判所費用:申立て時の費用におおむね3万円前後
(収入印紙、官報公告費、切手代など)
免責許可申立の印紙代:500円
▶︎ 管財人費用:売却益の20%から25%程度
(後払いも可能)
自己破産をすると、借金がなくなりますが、費用がかかります。
これではまるで、「毒をもって毒を制す」みたいですね。
とはいうものの必要なモノは必要です。
そこで…
費用を工面する方法は、以下のような方法があります。
・貯金や資産を使う。
・親族や友人から借りる。
・弁護士費用の分割払いや後払いを利用する。
・裁判所費用の免除や減額を申請する。
・破産管財人報酬の減額を申請する。
自己破産の費用は、借金の返済に充てることはできません。
自己破産をするためには、裁判所への申立て費用、弁護士費用、破産管財人報酬などが必要となります。
つまり、これらの費用は、破産手続きを進めるために必要なものであり、自己破産によって免除される借金からは支払うことはできないということです。
以上のことより、自己破産をする前には、費用をどうするかをよく考える必要があるということになりますね。
前編のまとめ
自己破産は、借金が多すぎて返せないというときに、裁判所に申し立てて借金をなくしてもらう手続きです。
自己破産のメリットとしては、借金が免責されること、取り立てがストップすること、新たなスタートが切れることが挙げられます。
一方で、デメリットとしては、財産を失うこと、信用情報に傷がつくこと、免責不許可の可能性があること、そして費用がかかることがあります。
自己破産を検討する際には、これらのメリットとデメリットをよく理解し、慎重に判断することが重要です。
後編では、自己破産の具体的な流れや注意点について詳しく説明します。