フードデリバリーの配達員が事故を起こした場合、誰が責任を負うのか気になりますよね?
この記事では、配達員、お店、そしてデリバリーサービスの会社がどのように責任を負うのかを具体例を交えて説明します。
【もくじ】
1)配達員が事故を起こした場合の責任
2)お店の責任
3)デリバリーサービスの会社の責任
1)配達員が事故を起こした場合の責任
まず、配達員が事故を起こした場合、基本的には配達員自身が責任を負います。
例えば、配達中に歩行者にぶつかってケガをさせてしまった場合、配達員が直接の加害者となります。
具体的には、民事上の責任として治療費や交通費、休業損害、慰謝料などを支払う必要があります。
場合によっては、数百万円から数千万円の高額な賠償が求められることもあります。
また、配達員が不注意で歩行者にケガをさせた場合、「過失傷害罪」(刑法第209条)が成立します。
刑法第209条(過失傷害)
過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。
この罪に問われると、30万円以下の罰金または科料が科される可能性があります。
2)お店の責任
配達員が自分のバイクや自転車で配達中に事故を起こした場合でも、お店が責任を負うことはありません。
配達員が個人事業主として働いている場合、お店は直接の責任を負うことは基本的にないからです。
ただし、配達員が従業員として雇用されている場合や、お店が配達員に対して特定の指示を出していた場合など、特定の条件下ではお店が責任を負うことがあります。
これは「使用者責任」と呼ばれ、お店が配達員を雇って利益をあげている以上、配達中の事故についても責任を負うことがあるんです。
ただし、お店が配達員に対して自家用車の使用を禁止していた場合など、特定の条件下では責任を負わないこともあります。
民法第715条(使用者責任)
ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
3)デリバリーサービスの会社の責任
例えば、Uber Eatsのようなデリバリーサービスの会社の場合、配達員は個人事業主として働いています。
そのため、会社が直接の責任を負うことは少ないです。
しかし、配達員が事故を起こした場合、被害者はデリバリーサービスの会社に対しても損害賠償を求めることができます。
これは、会社が配達員に対して安全運転の指導を行う立場にあるためです。
また、ただし、Uber Eatsは配達員のために保険を用意しており、配達中に第三者に怪我を負わせた場合には、1億円までの補償が適用されます。
この保険は自動的に適用されるため、配達員が特別な手続きをする必要はありません。
まとめ
フードデリバリーの配達員が事故を起こした場合、基本的には配達員自身が責任を負います。
しかし、お店やデリバリーサービスの会社も一定の条件下で責任を負うことがあります。
具体的な状況によって誰がどの程度の責任を負うのかが変わるため、事故が起きた場合は専門家に相談することをおすすめします。