
今回は「自分の子ではないと知りながらした認知に対して、後日、認知の無効を主張できるか?」についてお話しします。
まず、「認知」というのは、法律上、自分の子供であると認めることです。
例えば、未婚の父親が自分の子供だと認める場合などですね。
結論
自分の子ではないと知りながら認知をした場合でも、後でその認知を無効にすることができます。 (最判 平成26年1月14日判決)
理由
1. 認知(子どもが自分の子どもだと認めること)にはいろいろな理由があるので、認知を無効にすることを全く認めないのは良くない。
2. 血のつながりがないことを理由に認知が無効になることがあるので、子どもを守るために、認知した人が自分で認知を無効にすることを一律に制限するのは良くない。
3. 認知によって父と子の関係ができるので、認知した人が認知の効力について強い関心を持つのは当然。
ということです。
もし自分の子供ではないと知りながら認知をした場合、後でその認知を無効にするためには、裁判所に訴えを起こす必要があります。
現在にいたる経緯
日本の法律では、一度認知をすると、それを取り消すのは非常に難しいと考えられていました。
なぜならば、民法第785条により、「認知をした父または母は、その認知を取り消すことができない」とされているからです。
民法第785条(認知の取消しの禁止)
認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない。
ただし、詐欺や脅迫による認知の場合には、民法第96条に基づいて裁判所に訴えを提起することにより、認知の無効を主張することができました。(最判昭和36年7月20日判決)
民法第96条(詐欺又は強迫)
詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
しかし、平成26年1月14日の最高裁判所の判例では、上記のとおり詐欺や脅迫による認知でなくても、自分の子ではないと知りながら認知した場合であっても認知の無効を主張することができるとしました。
まとめ
この判例は、認知に関する法的な解釈に重要な影響を与えるものであり、今後のケースにも大きな指針となるでしょう。