分かりやすい身近な法律の話

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もう二度と覚醒剤は使わせない

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【法廷での様子】

公判中、被告人(覚醒剤取締法違反)が妻と長男を気にしている様子を見た裁判官は、被告にとって子供が最も大事だと感じました。

そこで、職員に指示して妻と生後6ヶ月の赤ん坊を被告人の横に立たせました。

被告人は1ヶ月ぶりに我が子を見て泣き崩れました。

裁判官は、当時の行動について「前例もなく勇気がいることだったが、怖いもの知らずだった」と話しています。

【裁判官の言葉】

今、この場で子供を抱きなさい。わが子の顔を見て二度と覚せい剤を使わないと誓えますか。

覚せい剤取締法違反(使用)に問われた被告人に向かって。

釧路地裁帯広支部 渡邉和義裁判官
当時35歳 1996.夏 [質問]

引用:長嶺輝輝、「裁判官の爆笑お言葉集」、幻冬舎新書、2007年、10刷、P118

【私の感想】

❶ この発言に対してどう判断するか

この発言は非常に感情的で、被告人に対して強い影響を与えるものです。

裁判官が被告人に対して子供の存在を強調することで、覚せい剤の使用をやめる決意を固めさせようとしています。

このようなアプローチは、被告人の心に深く響く可能性が高いと思います。

❷ 発言の意図

裁判官の発言の意図は、被告人に対して覚せい剤の使用をやめる強い動機を与えることです。

特に、被告人が家族を大切に思っていることを見抜き、その感情を利用して更生を促そうとしています。

子供の存在を前にして誓わせることで、被告人にとって覚せい剤を使わない理由を明確にし、再犯を防ぐ狙いがあると思います。

❸ 裁判官に対する批判や評価

この裁判官の行動は、非常に人間味があり、被告人の心に訴えかけるものでした。

一般的な法廷の手続きからは外れるかもしれませんが、被告人の更生を真剣に考えた結果の行動と評価できます。

一方で、感情に訴える手法が適切かどうかについては議論の余地があるかと思います。

裁判官の行動が被告人に対して過度なプレッシャーを与える可能性もあるため、慎重な判断が求められます。

このような裁判官の行動は、被告人の更生を真剣に考えた結果であり、評価に値する一方で、法の公正さを保つためには慎重な対応が必要と思われます。