
【してはいけない例】
1. 自宅の庭に倒れている高齢者を見つけたが、警察や救急に連絡しなかった。
2. 自宅内で怪我をして動けない人を見つけたが、助けを求めなかった。
3. 自宅の敷地内で死体を発見したが、警察に通報しなかった。
4. 自宅の庭に倒れている子供を見つけたが、助けを求めなかった。
5. 自宅の敷地内で意識不明の人を見つけたが、放置した。
6. 自宅の敷地内で事故に遭った人を見つけたが、警察や救急に連絡しなかった。
7. 自宅の敷地内で病気で倒れている人を見つけたが、助けを求めなかった。
8. 自宅の敷地内で死胎を発見したが、警察に通報しなかった。
これらのケースでは、自己の占有する場所内に、老幼、不具若しくは傷病のため扶助を必要とする者又は人の死体若しくは死胎があることを知りながら、速やかにこれを公務員に申し出なかったという状況が想定されるからです。
軽犯罪法第1条第1号第18項
自己の占有する場所内に、老幼、不具若しくは傷病のため扶助を必要とする者又は人の死体若しくは死胎のあることを知りながら、速やかにこれを公務員に申し出なかつた者
【なぜいけないのか】
1. 人命の保護:怪我や病気で助けを必要とする人を放置することは、その人の命を危険にさらすことになります。迅速な対応が必要です。
2. 社会的責任:社会の一員として、他人を助ける義務があります。
特に、弱者や助けを必要とする人々に対しては、助けを提供することが求められます。
3. 法的義務:法律に基づいて、助けを必要とする人や死体を発見した場合には、速やかに公務員に申し出る義務があります。
これを怠ることは法律違反となります。
4. 道徳的責任:人道的な観点からも、助けを必要とする人を放置することは非道徳的です。
人としての基本的な倫理に反します。
このような行為を防ぐためには、社会全体で助け合いの精神を持ち、迅速に対応することが重要です。
【補足】
たとえば、自分の所有する庭に、高齢者や子供、障害者や病人など、援助が必要な人が倒れている場合、その人が自分の同居家族であるとか、自分がその人を庭に運んだなどの特別な事情がなければ、その人を保護する義務はありません。
したがって、その人を保護せずに放置しても、刑法の遺棄罪(刑法217条)や保護責任者遺棄罪(刑法218条)には問われません。
同様に、庭に人の死体や死産した胎児がある場合でも、自分がそれを置いたものでなければ、それを保護する義務はないので、放置しても、死体損壊等罪(刑法190条)には問われません。
また、単に放置するだけでは「損壊」、「遺棄」、「領得(取得)」のいずれの行為にもあたらず死体損壊罪は成立しません。
しかし、公務員(具体的には警察官)が迅速に保護や捜査を行うことが可能となるように、すみやかに通報する最低限の義務を果たすことは合理的です。
したがって、この最低限の義務を果たさない行為は、本号で罰せられています。
これが「要扶助者・死体等不申告の罪」の概念です。